雨漏り診断士とは

はじめに

高齢化や空き家問題の深刻化により、建物の維持管理に関わる仕事は需要がさらに高まると考えられています。その中でも注目されているのが「雨漏り診断士」です。

この記事では、雨漏り診断士とは何か、その資格の取得方法や必要な知識・スキル、そして副業としてどのようにビジネス展開できるかについて、分かりやすく解説します。

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1. 雨漏り診断士とは?

雨漏り診断士とは、建物の雨漏りの原因を調査・特定し、対策や修繕方法のアドバイスを行う専門家です。単なる修理業者とは異なり、診断を専門とするため、客観的で中立的な立場からアドバイスを行う点が特徴です。

1-1. 主な業務内容

  • 雨漏りの発生箇所の調査・分析
  • 散水試験や赤外線サーモグラフィによる検査
  • 原因特定と改善提案
  • 報告書の作成と説明
  • 修繕業者への指示書の作成(必要に応じて)

1-2. 活躍の場

  • 戸建て住宅
  • アパート・マンション
  • 商業施設・工場
  • 公共施設や学校

特に地方では、空き家や老朽化住宅の増加に伴い、建物管理のニーズが高まっているため、地域に根ざした活動が可能です。


2. 雨漏り診断士の資格と取得方法

雨漏り診断士の資格は、NPO法人「雨漏り診断士協会」が認定・運営しており、一定の講習と試験を経て取得できます。

2-1. 資格の概要

  • 名称:雨漏り診断士
  • 認定団体:NPO雨漏り診断士協会
  • 資格種別:民間資格

2-2. 受験資格

  • 建築・防水・塗装・リフォームなど建物に関する実務経験がある方
  • 経験が浅い場合でも、一定の講習と実技指導で受験可能

2-3. 資格取得の流れ

  1. 協会の公式サイトから申込み
  2. 養成講座(座学・実習)を受講
    • 建築構造、防水工法、診断技術、報告書作成など
  3. 筆記試験・実技試験の受験
  4. 合格後、認定証発行と登録

2-4. 費用の目安

2025年4月現在の費用は以下の通りです。

  • 受験料:33,000円(税込・講習費及び専用テキスト代が含まれます)
  • 初回認定登録申請料 8,800円(税込)
  • 登録更新料 13,200円(税込)

3. 雨漏り診断に必要な知識とスキル

雨漏り診断士として活動するには、以下のような知識とスキルが求められます。

3-1. 建築構造と防水技術

  • 木造・RC造・鉄骨造の構造的特徴
  • 屋根材、外壁材、防水シートなどの機能と劣化症状

3-2. 雨漏り原因の分析スキル

  • 実際に雨水が侵入する経路の推定
  • シーリングの劣化、構造的な欠陥、施工ミスなどの識別

3-3. 調査技法

  • 目視調査、打診調査
  • 散水試験による再現調査
  • 赤外線サーモグラフィによる温度差検出

3-4. コミュニケーション力

  • 依頼者とのヒアリング・説明力
  • 修繕業者との連携・指示能力

4. 副業としての展開方法

雨漏り診断士の資格を取得した後、副業として活動を開始するためには以下のステップがあります。

ステップ1:開業準備

  • 屋号(ビジネスネーム)の登録
  • 名刺・ロゴ・ホームページの作成
  • 必要機材の準備(赤外線カメラ、散水器具、撮影機材)

ステップ2:営業・マーケティング

  • 地元の工務店、不動産会社への提案
  • SNSやブログによる情報発信
  • チラシ配布や地域情報誌への広告出稿

ステップ3:業務受注と対応

  • 現地調査 → 原因特定 → 報告書提出
  • 必要に応じて修繕業者との橋渡し

ステップ4:信頼とリピートの構築

  • 丁寧な対応と明確な説明
  • アフターフォローの実施
  • お客様の声を活用した口コミ戦略

5. 必要な機材とコスト感

副業としてスタートする際には、初期投資も気になるところです。主な機材と目安費用は以下の通りです。

機材価格帯備考
赤外線カメラ50,000〜300,000円スマホ接続型も可
デジカメ・スマホ20,000円〜写真記録用
散水器具5,000円〜散水試験用
測定・記録用品5,000円〜水平器、メモ帳など

6. 収益モデルと将来性

雨漏り診断は、専門性の高い業務であり、単価も比較的高い傾向があります。

6-1. 単価の目安

  • 基本診断:20,000〜30,000円
  • 赤外線診断付き:+10,000円程度
  • 報告書付き:+5,000円程度

6-2. 年間収益のイメージ

  • 月5件の依頼×30,000円=月15万円
  • 年間180万円の副収入も可能

6-3. 将来性

  • 高齢化・空き家問題により、雨漏り診断の需要は拡大傾向
  • 国土交通省による住宅ストック長寿命化施策との親和性が高い
  • リフォーム業界との連携で拡大も期待できる

まとめ

雨漏り診断士は、建物管理における専門家として、社会的なニーズが高まる中で注目されている職業です。50歳という人生経験豊富な世代にこそ、丁寧な対応や信頼構築といった強みを活かせる職種でもあります。

資格取得から実務のスタート、副業としての展開方法まで段階を踏んで準備すれば、堅実でやりがいのある副業として長く続けることができるでしょう。

まずは資格の取得と知識の習得から始めて、未来に向けた一歩を踏み出してみてください。


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